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審美治療
審美治療
美しさと機能性へのこだわり
「審美治療」というと、ただ単に「白くてキレイな歯を入れる治療」だと思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
もちろん、キレイな歯を入れることは当たり前。当院では、キレイな歯をより長く、より快適に使っていただくために、見えない部分にまで徹底的にこだわった治療を提供しています。
精密な治療のために
【マイクロスコープを使用した精密治療】
美しく長持ちする歯科治療を実現するためには、拡大視野での治療は必須です。
当院では、マイクロスコープや拡大鏡を使用した美しさや適合性に徹底的にこだわった治療を行っております。
【シリコン材料による印象】
歯医者さんに行くと、ゴムのようなものをお口に入れて「歯型」を採りますよね。
一般的にはピンク色の「アルジネート印象材」と呼ばれるものが使われておりますが、実はその印象材にもいろいろと種類があります。
当院では審美治療を行う際、シリコンゴムでできた印象材を使用しています。
シリコン印象材は環境による変形がなく非常に優れた材料です。実際に被せ物が入る歯の部分には精度をあげるために更に印象材料を重ねて型どりを行います。
他にも、精密な詰め物被せ物を作製するために、必要に応じて複数の型どりを行い、より適合のよい物を作り上げます。
・主な印象材の種類
アルジネート
粉と水で練り合わせて使われるものです。比較的安価な材料のため、一般の保険治療では大抵、この印象材を使用して型を採ります。
寒天
天草などから抽出される寒天が原料の印象材です。こちらも比較的安価な材料のため、保険治療で使われることが多いです。
細部の再現性に優れているのですが、強度がないため、ちぎれたり、変形したりしてしまうため、上記のアルジネートと合わせて使われることがほとんどです。
シリコン
価格が高い材質ですが、非常に「精度」の高い歯型を採ることができます。
印象材の精度とは、いわゆる「歪み」がどれくらいあるかを数値で表したものですが、その数値で比較すると
シリコン:0.3% 寒天:1.5% アルジネート:2.8%
と、圧倒的にシリコンの方が精度が高くなっています。
【形成時の歯肉圧排テクニック】
ピッタリと合った精密な被せ物を作成するには、型取りの際に、歯と歯茎の境目がどこなのか、はっきりとわかるように型を取る必要があります。
そこで活用されるのが「歯肉圧排」というテクニックです。
歯肉圧排とは、歯と歯茎の境目の部分に「圧排糸」という専用の糸を挿入し、歯と歯茎の境界部分をはっきりと分け、正確な型取りをしやすい環境を作るテクニックのこと。
型どりをする歯と歯茎の間に糸を入れた状態で型を取ると歯と歯茎の境目がはっきりとわかる模型を作ることができるため、作り手の歯科技工士により正確な情報を伝えることが可能になるのです。
手間のかかるとても細かい作業ではありますが、圧排糸を使用することで歯肉からでる血液が型どりの材料に影響を与えないようにする効果もありますので、より精度の高い技工物を作成することができます。
気を付けたい、歯と歯茎の間の「ブラックマージン」
「前歯の歯と歯茎のつなぎ目の部分に黒い隙間ができてしまったので治したい。」
当院にも、このようなご要望で来院される患者さまが多くいらっしゃいます。
この黒い隙間は「ブラックマージン」と呼ばれ、加齢により歯茎が下がり被せ物の金属が露出してしまった場合や、被せ物の適合が悪かったことにより細菌が繁殖してしまった場合によくみられる現象です。
前歯の場合は特に目立ってしまうので、人前で笑えなくなってしまったりと精神的にも良くありません。
【ブラックマージンを防ぐポイント】
ブラックマージンが現れてしまうのを防ぐには、大きく3つのポイントがあります。
1. クラウンと歯の境目を歯茎の下に隠す
クラウンと歯茎の境目が見えないようにするためには、その境目を歯茎の下に隠してあげることが理想的です。
ですが、境目を歯茎の下に設定するには、土台を形成する際に歯を歯茎の下0.5mm程度まで削り込む必要があり、これを肉眼で正確に行うには非常に難しいのが現状です。
また、クラウンをセットした後には、歯とクラウンの境目からはみ出たセメントをキレイに除去していく作業が必要ですが、これが歯茎の下に設定されている場合、セメントを除去する作業に関しても肉眼で行うことは困難です。
このような問題から、境目を歯茎の下に隠すのが理想的ではありますが、多くの医院ではそこまでこだわれない、というのが現状のようです。
当院では、マイクロスコープを使用しながら拡大視野での治療を基本としておりますので、境目も目立たぬよう、しっかりと歯茎の下に隠した状態に仕上げることが可能です。
2. 金属を一切使用しない、オールセラミックによる治療をおこなう
ブラックマージンのもう一つの原因として、治療に使われている素材に含まれる金属が挙げられます。
適用内での治療や、自費治療であってもメタルボンドなど歯の裏側が金属でできた素材を使う場合、治療後、加齢などで歯茎が下がってしまうと、その金属部分が露出して黒く見えてしまうことがあります。
このような場合には、被せ物の素材として金属を使用しない、オールセラミックによる治療を行うのが効果的です。 これにより、たとえ歯茎が下がってしまった場合でも金属部分が黒くなって見えるということがなくなります。
3. クラウンの支台となるコアも、金属を含まないものを使用する
金属が審美性に影響を及ぼすのは、クラウンの裏側に使われているものだけではありません。クラウンの支台となる「コア」に含まれている金属も、ブラックマージンの原因になってしまう可能性があります。
これは「メタルタトゥー」と呼ばれるもので、クラウンやコアに含まれている金属が溶けだして、歯肉に染み込んでしまう現象です。
これを防ぐには、「ファイバーコア」という金属を使用しないものを使用することが効果的です。
メタルフリー治療
近年日本では、住環境や食環境、大気汚染などといった生活環境の変化に伴い、アレルギー疾患を持つ人が非常に増えていると言われております。
当院にも「金属アレルギーなので銀歯を外してほしい」と多くの方がご来院されていますが、中には、発症しているアレルギーの症状がお口の中の金属が原因であることに気が付いていない方もいらっしゃるようです。
お口の中の金属が原因の金属アレルギーは、必ずしもお口の中に症状が現れるとは限りません。むしろ、手足や全身など、全く関係のない部分に症状が現れることがほとんどです。
また、歯科治療の直後ではなく、金属を入れてから数十年を経て突然発症することも多いため、その原因がお口の中の金属によるものとはなかなか思いつかないのでしょう。
原因不明の症状に悩まされるというのは、精神的にも辛いものです。症状に心当たりのある方はお気軽にご相談下さい。
歯科用金属が原因で引き起こされるアレルギーなどの主な症状
・口内炎が頻繁にできる。
・口角が切れたり、唇の周りに炎症を起こしやすい
・手のひらや足の裏に膿疱ができる。(掌蹠膿疱症)
・アトピー性皮膚炎や湿疹を発症する
・慢性的な頭痛や肩こりがある
・鬱、倦怠感、自律神経失調症など
金属アレルギー検査(パッチテスト)
金属アレルギーを調べる方法として代表的なのが、パッチテストによる検査方法です。
パッチテストとは、背中にさまざまな種類の金属の溶液を含んだシールを張り、2~3日後にそれぞれの部分の皮膚の反応を診ることで金属アレルギーがあるかを調べるというもの。金属アレルギーがある場合はその金属を張った部分が赤く反応しますので、どの金属にアレルギーがあるのかを調べることができます。
パッチテストの検査中(数日間)は、お風呂に入ることができませんので、通常、夏は行わずに涼しい季節に行います。
パッチテストは皮膚科などでも対応している医院もありますが、手間がかかる検査のため対応していない皮膚科も多いようですので事前にホームページなどで確認するとよいでしょう。
当院で行うメタルフリー治療
現在の日本の保険制度では、残念ながら、歯科金属アレルギーに対して充分な治療を行うことができません。
もちろん、保険が適用される材料にも金属を含まないもの(プラスチック)はありますが、適用範囲が限られているほか、壊れやすい材質のため、噛み合わせが強い方の場合は不向きです。
金属アレルギーは一度発症してしまうと、その体質を改善するのは非常に困難と言われております。
既に発症してしまっている方はもちろんですが、具体的な症状が出ていない場合であっても、体内に金属が溶けだし蓄積しないように安全性の高い材料を選択されることをお勧めいたします。
金属アレルギーをお持ちの方への虫歯治療
金属アレルギーがある方の場合、虫歯を削った後に入れるつめものや被せ物の選択はとても重要になります。
基本的にはパッチテストでアレルギー反応があった金属以外であれば使用は可能なのですが、今後のリスクを考えるとなるべく金属自体の使用を控えた方が良いでしょう。
皮膚科などの医療機関からの金属アレルギーの診断書があれば、健康保険内でも白い歯を入れることができます。
残念ながらオールセラミックは保険適用外となってしまいますが、レジンやハイブリットレジンは健康保険内で対応可能ですのでご相談いただければと思います。
補綴の素材
【保険適用外】オールセラミック
オールセラミックは、すべてセラミック(陶器)からなる歯科材料です。
金属が一切使われていませんので金属アレルギーのある方でも安心して使っていただけるのはもちろん、自然な歯の色を表現することができるため、自分の歯のようにお口の中になじみます。
また、透き通った白さで自然な光を透過しますので、審美的に非常に優れています。
【保険適用】CAD/CAM冠(ハイブリットレジン)
CAD/CAM冠とは、歯科用のCAD/CAMシステムによって設計・削り出しされた被せ物のことで、保険適用のものは「ハイブリットレジン」という材質でできています。
2014年4月より小臼歯での保険適用が認められたことを皮切りに、現在では一定の条件のもと大臼歯も保険適用が認められるなど、対象範囲も拡大されつつあります。
ハイブリットレジンは、レジンと呼ばれる歯科用のプラスチックをベースにセラミックを混ぜ込んだものですので、セラミック単体に比べると審美性や耐久性は劣りまが、従来までのレジンのみの素材よりも強度があります。レジンは汚れが付きやすいので、ご自宅でのケアと歯科医院での定期メンテナンスをしっかりと行うようにしましょう。
【根管治療】
金属アレルギーをお持ちの方は、根管治療を行う際にも使用する材料の選択に気を付けなければいけません。
一般的に根官治療を行った後には、歯の強度を保つために「コア」と呼ばれる土台を歯の中に挿入する必要があるのですが、保険治療の場合は大抵、金属でできた「メタルコア」と呼ばれるものを挿入することになります。
しかしながら保険で使用される金属はアレルギーが出やすいため、金属アレルギーの方はなるべく使用を避けたいところ。そこでおススメされるのが、グラスファイバーを使用した「ファイバーコア」です。
ファイバーコアは金属を使用していないこことはもちろん、色が白いため、被せ物をした時も中の金属の色が透けることがなく、自然の歯のような透明感を表現することができます。
残念ながら保険適用が認められていないため自費治療となりますが、金属のコアよりも根が割れてしまう可能性が抑えられるため、歯を守るための治療法としても有効な選択と言えます。
【矯正歯科治療】
最近では、矯正治療に使われる装置(ブラケット)は従来のようなメタル製のものではなく、セラミック製の目立たないタイプのものが主流になってきました。
当院でも矯正治療に使用するブラケットはメタルブラケットの他、目立たないセラミックブラケットもご用意しておりますが、金属アレルギーをお持ちの方の場合、歯につける装置(ブラケット)だけではなく、ブラケット同士をつなぐワイヤーの素材も確認する必要があります。
通常、治療に使われるワイヤーは「ニッケルチタンワイヤー(Ni-Tiワイヤー)」というものを使用するのですが、この素材に含まれているニッケルは比較的金属アレルギーが出やすい物質なのです。
そこで当院では、金属アレルギーの患者さまには下記のような装置を使用した矯正治療をご提案させていただいております。
・セラミックブラケット
セラミックブラケットは、白いセラミック(陶磁器)で作られたブラケットで、白い歯になじみやすく目立ちにくいのが特徴です。
セラミックは汚れも付きにくく、着色も変色もしにくいため審美性を求める方におススメのブラケットです。
金属が使われておりませんので、アレルギーの心配もございません。
・ゴムメタルワイヤー
通常使われているニッケルチタンワイヤーの代わりに、ゴムメタルワイヤーという新素材を使用する方法です。
「ゴムメタル」とはトヨタグループの豊田中央研究所で開発された新チタン合金で、ゴムのようにしなやかな弾性を持ちながら剛性も持ち合わせているため、しなやかではあるが曲げることができないニッケルワイヤーの弱点を補う新素材として注目されています。
主成分である「チタン」は、生体適合性が高く、金属でありながらも金属アレルギーが出にくい素材として広く使われている素材です。
チタンはその歴史の長さや実績の多さから見ても信頼性の高い素材と言えますが、ごくまれにチタンに対してアレルギー反応を起こす方もいらっしゃいますので、まずはどの金属にアレルギーがあるかを検査してもらうようにしましょう。