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睡眠時無呼吸と噛み合わせ──東京での検査フローと歯科連携の進め方
2025.12.12
こんにちは。みどりの森デンタルクリニック町田の院長です。
「いびきがひどいと言われるようになった」
「夜中に何度も目が覚めてしまう」
「朝起きても疲れが取れず、日中の眠気がつらい」
こうした症状がある方の中には、睡眠時無呼吸症候群（SAS）が潜んでいるケースがあります。
東京・町田エリアでも、検査や治療を受ける方は年々増えていますが、まだまだ
どこに相談してよいか分からない
いびき外来と歯科の役割の違いが分からない
噛み合わせとどんな関係があるのかイメージしづらい
といった声をよく伺います。
睡眠時無呼吸の診断自体は、医科（主に睡眠専門外来・耳鼻科・内科）の領域ですが、
「下顎の位置」や「噛み合わせ」を調整するマウスピース（口腔内装置）は、歯科が深く関わる分野です。
そのため、医科と歯科が連携しながら診療を進めていくことがとても大切になります。
この記事では、
➤ 睡眠時無呼吸と噛み合わせの関係
➤ 東京で検査を受けるときの、一般的なフロー
➤ 歯科で担う役割と、口腔内装置（マウスピース）治療の考え方
➤ 実際に連携を進めていくときのポイント
を、歯科医の立場からお話しします。
ここでの内容はあくまで一般的な説明であり、最終的な診断や治療方針は、それぞれの担当医が個別の診察に基づいて判断します。その点をご理解いただいたうえで、お読みいただければと思います。
目次
- 睡眠時無呼吸とは？いびきとの違い
- 噛み合わせ・下顎の位置が睡眠に与える影響
- 東京で睡眠時無呼吸を疑ったときの検査フロー
- 歯科で行う「口腔内装置（マウスピース）」治療の役割
- 噛み合わせを守りながら装置を使うために気をつけたいこと
- 医科と歯科の連携はどう進める？紹介・逆紹介のイメージ
- みどりの森デンタルクリニック町田にご相談いただく際のスタンス
- まとめ：一人で抱え込まず、「眠り」と「噛み合わせ」を一緒に考えましょう
1. 睡眠時無呼吸とは？いびきとの違い
まず、睡眠時無呼吸症候群について、簡単に整理しておきましょう。
睡眠時無呼吸症候群（Sleep Apnea Syndrome）は、
眠っている間に呼吸が何度も止まる、あるいは浅くなることで、身体にさまざまな負担がかかる病気です。
大きないびき、途中でいびきが途切れる、息が止まったあとに「ふぅっ」と息を吹き返すような様子が見られることがあります。
いびきそのものは、気道が狭くなった状態で空気が通るときに、咽頭の粘膜などが振動して起こる音です。
必ずしも全てのいびきが病気というわけではありませんが、
➤ 日常的に大きないびきが続いている
➤ 無呼吸を家族に指摘されたことがある
➤ 朝の頭痛や強い眠気、集中力低下が気になる
といった場合には、睡眠時無呼吸が隠れている可能性があるため、医療機関での検査が勧められます。
無呼吸が続くと、眠りが浅くなるだけでなく、心臓や血管にも負担がかかり、高血圧や不整脈、脳・心血管疾患のリスクにも関係するとされています。その意味で、「睡眠の問題」でもあり、「全身の健康の問題」でもあります。
2. 噛み合わせ・下顎の位置が睡眠に与える影響
睡眠時無呼吸の主なタイプの一つに、「閉塞性睡眠時無呼吸（OSAS）」があります。これは、
眠っている間に、舌や喉の奥の軟らかい部分（軟口蓋など）が気道をふさぎ、空気の通り道が狭くなるタイプです。
ここで関わってくるのが、「下顎の位置」と「噛み合わせ」です。
下顎が後方ぎみに位置している方、いわゆる「下顎が小さい」「顎が引っ込んでいる」と言われる骨格の方では、舌の位置も相対的に後ろに下がりやすくなります。その結果、仰向けで眠ると舌が喉の方へ落ち込み、気道を狭める要因の一つになることがあります。
また、噛み合わせの状態や、顎周囲の筋肉の緊張度も、睡眠時の下顎の位置に影響を与えます。日中の食いしばりや歯ぎしりが強い方では、就寝時にも顎まわりの筋肉が過緊張状態になりやすく、その結果として呼吸の通りが変化することもあります。
もちろん、睡眠時無呼吸の原因は一つではなく、体格、首まわりの脂肪量、鼻や喉の形態、飲酒や喫煙、生活習慣など多くの要因が絡み合っています。
噛み合わせや顎の形だけで説明できるものではありませんが、「下顎の位置をコントロールすることで気道のスペースを確保しよう」という発想が、歯科で扱う口腔内装置（マウスピース）治療のベースになっています。
3. 東京で睡眠時無呼吸を疑ったときの検査フロー
では、「もしかして睡眠時無呼吸かもしれない」と感じたとき、どのような流れで検査が進むのでしょうか。ここでは、東京・首都圏でよく採られている一般的なケースをイメージしてお話しします。
1つのパターンは、かかりつけの内科や耳鼻科に相談するルートです。
いびきや日中の眠気、夜間の中途覚醒などの症状を伝えると、簡単な問診や診察のうえで、「睡眠時無呼吸の可能性があるので、検査をしてみましょう」と説明されることがあります。
多くの場合、まずは自宅で行う簡易検査が提案されます。指先や鼻の下、胸もとにセンサーをつけて一晩眠り、そのデータにもとづいて、睡眠中の呼吸状態や酸素の変化を評価する方法です。
その結果、無呼吸や低呼吸（浅い呼吸）が一定以上認められた場合、より精密な検査（終夜睡眠ポリグラフ検査など）を専門の医療機関で受けるよう紹介されることがあります。
もう一つのパターンは、初めから睡眠専門外来や「いびき・睡眠時無呼吸外来」を掲げる医療機関を受診するケースです。この場合も、問診 → 簡易検査 → 必要に応じて精密検査、という流れが一般的です。
検査の結果、「睡眠時無呼吸症候群」と診断されると、重症度や全身状態に応じて、
➤ CPAP（持続陽圧呼吸療法）
➤ 体位療法
➤ 生活習慣の改善
➤ 口腔内装置（マウスピース）
などの選択肢が検討されます。
このうち、口腔内装置が適応となるケースで、歯科が具体的な治療を担うことになります。
4. 歯科で行う「口腔内装置（マウスピース）」治療の役割
睡眠時無呼吸症候群に対する口腔内装置とは、
眠っているあいだ、下顎を少し前方に誘導することで、舌や軟口蓋が気道をふさぎにくくすることを目的としたマウスピース型の装置です。
歯科では、医科からの「口腔内装置適応」の情報や診断書などをもとに、
➤ お口の状態（むし歯・歯周病・歯の本数・噛み合わせ）を確認
➤ 装置を安全に支えられるかどうかを評価
➤ 歯型を採り、専用の装置を作製
➤ 適切な前方移動量や高さを調整
といったプロセスを経て治療を進めていきます。
ここで重要なのは、「呼吸が楽になること」と「噛み合わせへの負担を抑えること」のバランスです。
下顎を前に出しすぎれば気道は広がりやすくなるかもしれませんが、そのぶん顎関節や歯に負担がかかり、朝の顎の痛みや噛み合わせの変化を招くことがあります。逆に、負担を恐れてほとんど前に出さないと、装置としての効果が十分に得られない可能性があります。
そのため、医科の先生が評価する睡眠中のデータと、歯科が評価する噛み合わせ・顎関節の状態を行き来しながら、「その方にとってちょうど良い位置」を探っていく作業が、とても大切になります。
5. 噛み合わせを守りながら装置を使うために気をつけたいこと
口腔内装置は、適切に使用すれば睡眠時無呼吸の症状軽減に役立つ一方で、使い方によっては噛み合わせに影響を及ぼすこともあります。
実際の診療では、次のような点に注意しながらフォローしていきます。
まず、装置を使い始めた頃に出やすいのが、「朝起きた時の顎のだるさ」や「奥歯の噛みにくさ」です。多くは、装置を外してしばらくすると元の噛み合わせに戻りますが、中には徐々に歯の当たり方が変化していく方もいらっしゃいます。
そのため、当院では、装置の使用方法だけでなく、
➤ 朝起きたあと、軽く噛み合わせを整えるエクササイズ
➤ 顎関節まわりのストレッチ
➤ 噛み合わせや歯のすり減りの定期チェック
などを併せてご案内するようにしています。
また、「眠れるようになったから大丈夫だろう」と自己判断で通院をやめてしまうと、
呼吸は改善していても噛み合わせに少しずつ変化が出ている、というケースを見逃してしまうことがあります。
口腔内装置は、あくまで「きちんと管理しながら使う医療用の装置」です。
噛み合わせや顎の調子に違和感が出てきた場合は、「様子を見よう」と我慢しすぎず、遠慮なくお伝えいただきたいと思います。
6. 医科と歯科の連携はどう進める？紹介・逆紹介のイメージ
睡眠時無呼吸の診療では、医科と歯科が一方向ではなく、双方向に情報をやり取りすることが理想的です。
たとえば、次のような流れが考えられます。
➤ いびきや眠気が主訴 → まずは内科・耳鼻科・睡眠専門外来で検査・診断
➤ 重症度や全身状態を踏まえて、CPAP・口腔内装置などの治療方針が検討される
➤ 口腔内装置が適応となった場合 → 歯科へ紹介
➤ 歯科で装置作製・噛み合わせの評価 → 使用開始
➤ 使用後の睡眠状態は医科で再評価しつつ、噛み合わせや顎の状態は歯科で継続管理
逆に、歯科側から「睡眠時無呼吸の可能性がありそう」と感じるケースもあります。
例えば、
➤ 強い歯ぎしり・すり減り
➤ 朝の頭痛や日中の強い眠気の訴え
➤ 顎の形態や舌の位置から、気道の狭さが疑われる場合
などです。
こうしたときは、むやみに歯科だけで完結させようとするのではなく、適切なタイミングで内科や耳鼻科などへ検査をお願いすることが大切だと考えています。
みどりの森デンタルクリニック町田でも、必要に応じて医科との連携を意識しながら、「どこまで歯科でお手伝いできるのか」「どの段階で専門の先生にバトンを渡すべきか」を患者さんと一緒に相談するようにしています。
7. みどりの森デンタルクリニック町田にご相談いただく際のスタンス
当院は、睡眠時無呼吸専門の医療機関ではありませんが、噛み合わせ・顎・口腔内装置を扱う歯科として、睡眠の問題ともなるべく誠実に向き合いたいと考えています。
「すでに内科や睡眠外来で診断を受けていて、口腔内装置を勧められている方」
「いびきや眠気が気になり、噛み合わせも不安で、一度相談したい方」
どちらの場合でも、まずは現在の状況や不安に思っている点を丁寧にお伺いします。
そのうえで、
➤ 歯や歯周組織の状態
➤ 噛み合わせと顎関節の状態
➤ 装置を安全に支えられるかどうか
といった点を評価し、必要に応じて医科との連携も視野に入れながら、現実的な選択肢を一緒に考えていきます。
「必ず良くなります」と短絡的なお約束をすることはできませんが、
「眠り」と「噛み合わせ」の両方の視点から、今できるベストを一緒に探していくことが、当院のスタンスです。
8. まとめ：一人で抱え込まず、「眠り」と「噛み合わせ」を一緒に考えましょう
睡眠時無呼吸は、「いびきの問題」にとどまらず、日中のパフォーマンスや将来の健康にも関わる大切なテーマです。
そして、その治療の中で、下顎の位置や噛み合わせを調整する「口腔内装置」が選択肢となるケースでは、歯科医が重要な役割を担います。
東京・町田エリアには、睡眠医療に取り組む医療機関も多数あります。
まずは「検査を受けること」で現状を正しく知り、そのうえで必要に応じて歯科と連携しながら、無理のない形で治療を進めていくことが大切だと感じています。
もし、「いびきや眠気が気になる」「噛み合わせと睡眠に関係があるのか知りたい」と感じていらっしゃれば、どうぞ一度ご相談ください。
みどりの森デンタルクリニック町田では、医療広告ガイドラインに配慮しながら、患者さん一人ひとりに寄り添った情報提供と、現実的な治療の選択肢をご案内できるよう努めています。
少しでも参考になれば幸いです。
自身の歯についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
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