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大人になってからの噛み合わせ矯正は可能?町田の歯科医が答えます

2025.09.19

2025年9月19日_大人になってからの噛み合わせ矯正は可能?町田の歯科医が答えます

こんにちは。みどりの森デンタルクリニック町田の院長です。

診療をしていると、
「もう40代ですが、今から噛み合わせを治すのは遅いですよね?」
「見た目はそこまで気にならないのですが、噛みにくさだけ何とかしたくて…」
といったご相談をよくいただきます。

矯正というと子どものイメージが強く、「大人になってからでは手遅れなのでは」と考えている方も少なくありません。結論から申し上げると、大人の方でも噛み合わせを整えていくことは十分可能です。ただし、成長期の矯正とは考え方も進め方も少し異なります。歯ぐきや骨の状態、これまでに入っている被せ物・詰め物、顎関節への負担、生活習慣など、さまざまな要素を慎重に見極めていく必要があります。

この記事では、私が東京・町田で日々診療を行う中で感じていることも交えながら、
「大人の噛み合わせ矯正はどこまで可能なのか」
「どんな治療方法があるのか」
「リスクや注意点は何か」
といったポイントを、できるだけわかりやすくお伝えしていきます。

 

目次

 

1. 大人の噛み合わせ矯正は「可能」です

まずお伝えしたいのは、「大人になってからでも、噛み合わせの改善は十分目指せる」ということです。歯は生涯を通じて骨の中で少しずつ動いており、年齢を重ねても、適切な力と計画さえあれば矯正による歯の移動は可能です。

一方で、子どもの矯正が「成長を利用して骨格そのものを誘導していく治療」であるのに対し、成人矯正は「今ある骨格の中で、歯の位置やかみ合わせのバランスを整えていく治療」に近いイメージです。ですから、
・今よりもしっかり噛めるようにしたいのか
・見た目も含めて大きく変えていきたいのか
・将来のインプラントや被せ物治療に備えて土台を整えたいのか
といった目的を最初にすり合わせることがとても大切になります。

私はカウンセリングの際、まず「何に一番困っているのか」「どこまで変えたいのか」を時間をかけて伺うようにしています。そのうえで、矯正で改善できる範囲と、他の治療を組み合わせた方がよい部分を整理してお伝えするようにしています。

 

2. 成人になってから噛み合わせが気になり始める理由

子どもの頃は特に気にならなかったのに、30代・40代になってから急に噛み合わせが気になり出したという方も多いです。背景にはいくつか共通するパターンがあります。

ひとつは、長年の食いしばりや歯ぎしりによって、歯がすり減ってしまっているケースです。特定の歯だけが強く当たり続けることで、そこだけ丸く削れてしまい、噛み合わせの高さが少しずつ変化していきます。最初は違和感程度ですが、ある地点を超えると急に顎の疲れ、肩こり、頭痛などが前面に出てくることがあります。

もうひとつは、過去の治療の影響です。奥歯の被せ物が少し高すぎたり、抜いたままになっている歯があったりすると、空いたスペースに隣の歯が倒れ込んだり、噛み合わせの平面が傾いたりします。その結果、「片側でしか噛めない」「前歯で食べ物を噛み切りにくい」などの不具合につながります。

さらに、年齢とともに歯周病が進行し、歯を支えている骨が少しずつ減ってくると、歯がわずかに動きやすくなり、歯並びや噛み合わせのバランスにも影響が出てきます。「最近になって前歯が出てきた気がする」「すき間が空いてきた」という訴えの背景には、歯周病と噛み合わせの双方が絡んでいることも少なくありません。

 

3. 「矯正だけ」が答えではない噛み合わせ治療

「噛み合わせを良くしたい」と聞くと、多くの方は真っ先に矯正治療を思い浮かべるのではないでしょうか。もちろん、歯の位置そのものに問題がある場合や、骨格とのバランスを丁寧に整えていきたい場合には、矯正は非常に有効な選択肢です。

一方で、臨床の現場にいると、矯正以外のアプローチで症状が大きく改善するケースも多く経験します。たとえば、夜間の歯ぎしりや食いしばりが強く、朝起きると顎やこめかみがだるいという方には、まずナイトガードというマウスピースを使っていただき、筋肉や顎関節の負担を軽くすることから始めることがあります。それだけで、肩こりや頭痛がかなり楽になる方もいらっしゃいます。

また、過去に入れた被せ物の高さがわずかに高かったり、特定の歯だけ早く当たってしまっている場合には、その部分をミクロン単位で調整する「咬合調整」が有効なこともあります。大掛かりな矯正をしなくても、原因が局所にある場合は、こうした細かな調整で噛みやすさが戻ることがあります。

歯を失っている部分が多い方では、インプラントやブリッジ、入れ歯などの補綴治療を通じて、噛み合わせ全体の高さやバランスを整えていくことも大切です。このように、噛み合わせの治療は「矯正か、そうでないか」という二択ではなく、複数の選択肢を組み合わせながら、その方の状態に合った最適なゴールを探っていく作業に近いと感じています。

 

4. 大人の矯正にかかる期間と進め方

成人の矯正治療は、全体的に歯並びと噛み合わせを整えていく本格矯正と、一部分を整える部分矯正に大きく分けられます。歯列全体を動かす場合、一般的には1〜2年程度の期間が必要になることが多く、部分矯正であれば数か月〜1年ほどで完了するケースもあります。ただし、これはあくまで目安であり、歯の状態や骨の質、治療の目的によって変わってきます。

私が成人の矯正を計画するときには、「最終的にどの歯で、どう噛ませたいか」というゴールから逆算して、治療の工程を組み立てていきます。ただ単に見た目をきれいに並べるだけでなく、噛んだときの力が特定の歯に集中しないように設計することが重要です。場合によっては、矯正をスタートする前に歯ぐきの治療や、虫歯の治療を優先することもあります。

また、成人の矯正ではお仕事やご家庭の事情など、ライフスタイルとの両立も大切なポイントです。装置の見た目、通院可能な頻度、痛みや違和感への許容度などを伺いながら、ワイヤー矯正にするのか、マウスピース矯正を併用するのか、夜間中心の装着にするのかといった細かな部分も一緒に考えていきます。

 

5. リスクと注意点について正直にお話しします

どんな治療にもメリットとリスクがあります。大人の噛み合わせ矯正についても、良い面だけでなく、注意していただきたい点を事前にお伝えしています。

まず重要なのは、歯ぐきや骨の状態です。歯周病が進行していると、歯を支える骨が少なくなっており、そのまま強い力で歯を動かしてしまうと、かえって歯の揺れが強くなったり、歯ぐきが下がったりする可能性があります。そのため、必要に応じて歯周治療を行い、炎症が落ち着き、清掃が安定してから矯正に進むことが大切です。

顎関節の状態にも注意が必要です。もともとお口を開けると痛みがあったり、カクカク音がしていたりする場合には、装置をつけて歯の位置だけを大きく変えてしまうと、顎関節にかかる力のかかり方が変わり、症状が悪化してしまうこともあります。こうした場合には、あらかじめ関節や筋肉の状態を評価し、必要であれば夜間のマウスピース治療を先行させるなど、慎重な対応が欠かせません。

もうひとつ、大人の矯正で必ずお話しするのが「後戻り」のリスクです。治療が終わった後も、歯は元の位置に戻ろうとする傾向があります。そのため、リテーナーという保定装置を一定期間しっかり使っていただくことがとても大切です。舌の癖や口呼吸、姿勢のクセなどが残っていると、せっかく整えた噛み合わせに再び負担がかかり、歯が少しずつ動いてしまうこともあります。

 

6. 向いているケース・慎重に判断したいケース

成人の噛み合わせ矯正に向いているのは、たとえば次のような方です。
長年、片側でしか噛めずに不便を感じている方、前歯でしっかり噛み切れず食事にストレスがある方、詰め物や被せ物が何度も壊れてしまい、根本的に噛み合わせを見直したい方、将来的にインプラントや大きな被せ物治療を控えていて、その前に土台を整えておきたい方などです。こうしたケースでは、噛み合わせをていねいに整えることで、日々の生活がぐっと楽になることがあります。

一方で、慎重な判断が必要なケースもあります。歯周病が進行し、歯の揺れが大きい方、顎関節の痛みや開口障害が強く出ている方、全身疾患や服薬の状況によっては歯の移動に制限が出る方などです。また、リテーナーの装着や日々の清掃がどうしても難しそうな場合には、まずは生活習慣やセルフケアを整えるところから始めた方が良いこともあります。

私自身は、「どうしても矯正をやるべきかどうか」という二択の話ではなく、
・今の状態で何が問題になっているのか
・矯正をするとどこまで良くなりそうか
・矯正以外の方法でできることは何か
・リスクや負担を含めてご本人が納得できるか
といった点を一緒に整理しながら、「その方にとって現実的で、前向きに取り組める治療」を探していくことが大切だと考えています。

 

7. みどりの森デンタルクリニック町田での診療の流れ

当院で大人の噛み合わせについてご相談をいただいた場合、最初の一回でいきなり「矯正しましょう」と決めてしまうことはありません。まずはしっかりお話を伺い、今どのような場面で困っているのか、いつ頃からなのか、これまでどのような治療を受けてこられたのかを確認します。

そのうえで、噛んだときの歯の当たり方、顎の動き、筋肉の硬さなどを診察し、必要に応じてレントゲンやCT撮影、歯型の採取、写真撮影などを行っていきます。場合によっては、咬合器という装置に模型をつけて、顎の動きを再現しながら噛み合わせを詳しく分析することもあります。

こうした情報がそろって初めて、「今の噛み合わせがなぜこの状態になっているのか」「どこに負担が集中しているのか」が見えてきます。その結果をわかりやすくお伝えしながら、
・まずはマウスピースや咬合調整などの小さなステップから始めるのか
・全体的な矯正を視野に入れるのか
・補綴治療を中心に組み立てるのか
といった方向性を一緒に考えていきます。

 

8. まとめ:今からでも「噛める安心」を取り戻すために

「大人になってから矯正しても意味があるのか」「今からでは遅いのでは」と不安に感じている方も多いと思います。実際に診療をしていると、そうした迷いから長年我慢を続けてこられた方が、勇気を出して相談に来られる場面に何度も立ち会ってきました。

大切なのは、矯正をするかどうか以前に、まずは今のお口の状態を正しく知ることです。どこに負担がかかっているのか、何が原因になっているのかがわかれば、必ずしも大掛かりな矯正を選ばなくても、望んでいる変化に近づけることがあります。

東京・町田エリアで噛み合わせや歯並びにお悩みのある方は、まずは一度、お話を聞かせてください。みどりの森デンタルクリニック町田では、過度な宣伝や誇大な表現を避けつつ、患者さんお一人おひとりにとって現実的で納得感のある治療をご提案できるよう努めています。

 

少しでも参考になれば幸いです。
自身の歯についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

 

町田駅ターミナル口徒歩3分の歯医者・歯科

みどりの森デンタルクリニック

住所:東京都町田市原町田4-9-8 サウスフロントタワー町田シエロ 2階

TEL:042-850-9306

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