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【東京・在宅ワーク世代】姿勢と噛み合わせ──デスク環境でここまで変わる?

2025.10.17

2025年10月17日_【東京・在宅ワーク世代】姿勢と噛み合わせ──デスク環境でここまで変わる?
こんにちは。みどりの森デンタルクリニック町田の院長です。

ここ数年で、「家で仕事をする時間が増えました」という患者さんが一気に増えました。
通勤がなくなって楽になった一方で、
  • 肩こりや首の痛みがひどくなった
  • 頭痛が増えた
  • 朝起きると顎がだるい
  • 歯ぎしりをパートナーから指摘されるようになった
そんなお悩みを打ち明けられることが、とても多くなっています。

整形外科やマッサージなどで対処しながらも、「そもそも姿勢や噛み合わせが関係しているのでは?」と感じて受診される方も少なくありません。在宅ワークは、姿勢と噛み合わせに影響しやすい働き方だからです。

この記事では、在宅ワーク世代の方に向けて、
  • なぜデスク環境と姿勢が「噛み合わせ」とつながるのか
  • どのような症状として現れやすいのか
  • 今日から見直せる生活習慣や環境のポイント
  • 歯科医院でできるサポート
を、歯科医の立場からわかりやすくお話ししていきます。
なお、ここでお伝えする内容はあくまで一般的な情報であり、診断や治療方針は実際の診察に基づいて個別に判断されるものです。その点をご理解いただいたうえで、お読みいただければと思います。

 

目次

 

1. 在宅ワークが増えてから増えたお悩み

在宅ワークが一般的になってから、診療室での会話の内容も少し変わってきました。
「前よりも肩こりがつらい」「こめかみが重くて集中力が続かない」「夕方になると奥歯がジーンとする」──こうした訴えの裏側には、長時間同じ姿勢でパソコンに向かい続ける生活スタイルがあります。

オフィスでは、ある程度整った椅子やデスク、高さの合ったモニターが用意されていることが多いのですが、自宅ではダイニングテーブルやローテーブル、ソファ、場合によってはベッドの上でノートパソコンを広げて仕事をしている方も少なくありません。
一見すると便利ですが、身体にとっては「無理な姿勢を長時間強いられる環境」になっていることが多いのが実情です。

その結果、首から肩、背中の筋肉が常に緊張した状態になり、頭部を支えるために顎や咬む筋肉にも余計な負担がかかります。こうした積み重ねが、噛み合わせの違和感や、歯ぎしり・食いしばりの増加につながることがあります。

 

2. 姿勢の変化が噛み合わせに与える影響

姿勢と噛み合わせは、一見離れた話に聞こえるかもしれませんが、実は密接につながっています。頭の位置が数センチ前に出るだけで、首や肩にかかる負担は大きく増え、そのバランスを取るために顎の位置も微妙に変化します。

猫背気味で前かがみになり、顎を突き出すような姿勢が続くと、下顎は本来の落ち着く位置よりもわずかに前方や下方に押し出された状態になり、その位置で上下の歯が当たる時間が長くなります。すると、特定の歯にばかり力がかかったり、顎関節の動きが制限されたりして、噛み合わせのバランスが崩れていきます。

さらに、長時間の緊張状態は、夜間の歯ぎしりや日中の無意識の食いしばりを助長することがあります。「パソコンに集中しているとき、ふと気づいたら奥歯を強く噛みしめていた」という方は少なくありません。こうした状態が続くと、歯のすり減りや知覚過敏、顎のだるさ、頭痛など、さまざまな不調がじわじわと現れてきます。

噛み合わせの異常は、必ずしも歯並びそのものが悪いから起こるわけではありません。顎の位置を決めているのは、歯だけでなく筋肉や姿勢も含めた全体のバランスだということを知っていただけると、少しイメージがしやすくなるかもしれません。

 

3. 自宅のデスク環境でよく見かける“危ない”パターン

実際に患者さんからお話を聞いていると、「これは噛み合わせや顎に負担がかかりやすいな」と感じるデスク環境の傾向がいくつかあります。

代表的なのは、ダイニングテーブルやローテーブルで長時間作業しているケースです。椅子の座面が高すぎたり低すぎたりすると、どうしても前傾姿勢になり、首と肩がすくみ上がった状態が続きます。ノートパソコンを直置きしている場合は画面が低くなるため、顔を近づけるように覗き込む姿勢になりがちです。

また、ソファやベッドで作業していると、身体をひねったり、頬杖をついたりしながら片側に体重を預けてしまうことが増えます。このような姿勢は、左右非対称の負担を生み、噛み合わせにもどちらか一方に負担が偏る癖をつけてしまうことがあります。

もちろん、在宅ワーク環境は住まいやご家族の事情によってさまざまですので、「こうでなければダメ」という正解はありません。ただ、「長時間同じ姿勢でいるときに、頭・首・肩・顎にどんな力がかかっているか」を意識してみるだけでも、見直すべきポイントが見えてくることが多いと感じています。

 

4. 噛み合わせの不調として現れやすいサイン

姿勢やデスク環境の影響が、噛み合わせの不調として現れてくるとき、必ずしも「歯が痛い」とは限りません。むしろ、歯そのものには虫歯がないのに、次のようなサインとして現れることがよくあります。
  • 朝起きたときに、顎の付け根やこめかみが重だるく感じられたり、口を大きく開けると引っかかるような違和感
  • 特定の歯だけがしみる、冷たいものがキーンとしやすい
  • 歯の先端が削れて丸くなってきた
  • 詰め物や被せ物がよく欠ける・外れる
  • 肩こり・首こり・後頭部からこめかみにかけての頭痛・目の奥の疲れ
もちろん、これらの症状がすべて噛み合わせから来ているわけではありませんが、「いろいろな科を受診してもはっきりした原因が見つからない」という場合には、歯科の視点での評価がヒントになることもあります。

 

5. 今日からできるデスクまわりと姿勢の見直し

噛み合わせの治療というと、どうしても矯正やマウスピースなど「特別な医療処置」をイメージされがちですが、在宅ワーク世代の方にまずお伝えしたいのは、日々のデスク環境と姿勢の見直しだけでも、顎や筋肉への負担を大きく減らせるということです。

可能であれば、椅子とテーブルの高さを調整し、「背筋を軽く伸ばした状態で、肘と膝がだいたい直角になる」姿勢を作ってみてください。モニターは目線よりやや下くらいの高さにし、顔を前に突き出さなくても画面全体が見える距離を保つと、首や顎への負担が減ります。ノートパソコンの場合は、スタンドや外付けキーボードを使って「画面は高く、手は低く」という配置にすると、前かがみになりにくくなります。

また、1時間に一度は立ち上がってストレッチをしたり、深呼吸をしたりする時間を意識的に挟むことも有効です。その際、「今、奥歯を強く噛みしめていなかったか」を自分に問いかけてみてください。気づいたタイミングでそっと力を抜く、それだけでも筋肉の緊張状態は少しずつ変わっていきます。

頬杖をつく、片側だけで足を組む、うつ伏せに近い姿勢でパソコンを見る、といった癖も、長期的には顎や噛み合わせに影響します。すべてを完璧にやめる必要はありませんが、「気づいたときに戻す」という小さな積み重ねが、数年後の状態に大きな違いを生むことがあります。

 

6. それでも違和感が続くときに歯科でできること

環境や姿勢を見直しても、噛み合わせの違和感や顎のだるさが続く場合には、歯科医院で一度しっかり評価を受けることをおすすめします。当院では、まず日常の状況やお困りの内容を丁寧に伺い、そのうえで噛み合わせや顎関節、筋肉の状態を確認していきます。

必要に応じて、レントゲンやCTで顎の関節や歯の根の状態を確認したり、咬合紙を使ってどの歯にどのくらいの強さで当たっているかを記録したりします。歯のすり減り具合や歯列全体のバランス、過去の治療の影響なども含めて総合的に判断し、「どこに負担が集中しているのか」「姿勢以外に何が関係していそうか」を整理していきます。

そのうえで、夜間の歯ぎしりや食いしばりが強い方にはナイトガード(マウスピース)を用いて筋肉や歯を守る方法をご提案したり、明らかに高すぎる被せ物や特定の歯の早期接触がある場合には、慎重に調整を行ったりします。場合によっては、肩こりや頭痛などの症状について、整形外科や他科と連携しながら進めていくこともあります。

いずれの場合も、「これをすれば必ず症状がゼロになります」とお約束することはできませんが、姿勢や生活習慣とあわせて噛み合わせを見直すことで、負担を減らし、少しずつラクな状態に近づけていくことを目指しています。

 

7. みどりの森デンタルクリニック町田で大切にしていること

当院では、噛み合わせのご相談を受ける際に、「歯だけを見る」のではなく、できる限りその方の生活や働き方まで含めてお話を伺うようにしています。在宅ワークで一日中パソコンに向かっているのか、外出の多い仕事なのか、育児や介護と並行しているのか──背景が違えば、無理なく続けられる対策や治療の選択肢も変わってきます。

噛み合わせの治療は、ある意味で「長いお付き合い」になりやすい分野です。一度の処置で劇的に変えようとするよりも、患者さんご自身が納得しながら少しずつ前に進んでいけるよう、できるだけ分かりやすい言葉で現状や選択肢をお伝えすることを心がけています。

在宅ワークという新しい働き方は、便利さと引き換えに、身体に思わぬ負担をかけていることがあります。もし、ここまで読んで「もしかしたら自分も当てはまるかもしれない」と思われた方は、無理のない範囲で生活環境を見直しつつ、一度歯科での評価も検討してみてください。その一つの選択肢として、みどりの森デンタルクリニック町田を思い出していただけたら嬉しく思います。

 

8. まとめ:小さな見直しが、噛み合わせと全身のラクさにつながる

在宅ワークの普及によって、私たちの働き方は大きく変わりました。同時に、首や肩、顎、そして噛み合わせに関するトラブルも、少しずつ形を変えて増えてきていると感じています。

もちろん、在宅ワークそのものが悪いわけではありません。問題なのは、「身体にとって無理のある姿勢や環境で、それを長時間続けてしまいやすい」という点です。椅子と机の高さ、画面との距離、休憩の取り方、食いしばりに気づくタイミング──そうした小さな要素を少しずつ整えていくことで、噛み合わせや顎、全身への負担を軽くすることができます。

それでも違和感や不調が続く場合には、一度、歯科の視点から噛み合わせや顎の状態を確認してみてください。東京・町田エリアで在宅ワークをされている皆さんの、日々の仕事が少しでもラクに、快適なものになるよう、私たちもお手伝いできればと思っています。

 

少しでも参考になれば幸いです。
自身の歯についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

 

町田駅ターミナル口徒歩3分の歯医者・歯科

みどりの森デンタルクリニック

住所:東京都町田市原町田4-9-8 サウスフロントタワー町田シエロ 2階

TEL:042-850-9306

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